スタジオにMatchlessアンプがあった!

都内には沢山のリハーサルスタジオがあって、爆音が鳴らしたくなったらカラオケより安い値段で気軽に利用できるので大変重宝してます。

スタジオによっておいてある機材って本当に色々で、都内のスタジオのギターアンプを調べてみると、Marshall、FenderRoland等の定番機種はもちろんのこと、Orange、Dezel、hughes&kettner等のあまり使う機会のないアンプまでおいてあります。

それらの珍しいアンプはスタジオでオプション機材として貸し出してることが多く、さらに無料で借りられることが意外によくあるようなので、色々なスタジオのオプション機材をチェックしてみました。

なんやら見た事ないようなアンプとか色々ありました。
そんな中自分の目を引いたのが三軒茶屋のNOAHのオプション機材にあった、高級アンプとして名高いMatchlessのDC-30です。


Matchlessアンプは一度は弾いてみたいと思っていたので早速行ってきました。


ひょーかっちょいい!


写真だとわかりづらいかもしれないんですが、コレ電源入れるとMATCHLESSというロゴが光るんですよ。
高級アンプ感ぱねー!

肝心の音はというと。

すんげえの一言です。
よくギターの音を表す表現として「音の立ち上がりが早い」「音が速い」「レスポンスがいい」みたいな表現が使われますが、まさにそれです。
ピックを当てるとすぐに音がでる。ボキャ貧なのでそれ以外表現が浮かびません ごめんなさい。


そしてとてもスッキリとした音で、ギターの音を素直に出してる感じです。モコモコした音とは対極にある音だと感じました。
そのぶんギターの善し悪しはモロにでるかと思います。今日試したギターはPRSのSECustom(ナット、配線、PU交換済)でしたが、それでもちょっと音が薄い気がしてしまいました。



全体的に高域寄りな音なんですが、Marshallアンプのハイやプレゼンスを上げた時に感じるような耳障りな帯域はしっかり押さえられている辺り高級アンプの品格を感じました。コードの分離感と箱鳴り感もすさまじかったです。


チャンネルごとの音の違い

左右2チャンネルのという構成になってるんですが。コントロールは左がVolume、Bass、Trebleで、右のはVolume、Tone、Cut、Masterとなってました。



左チャンネルはクリーン専門で、右チャンネルに比べて少し低域を押さえたような軽い音がします。



右チャンネルのほうが左より音が重めでした。
Toneノブはロータリースイッチになってます。Cutノブは恐らくハイカットかと思われます。Toneノブで強調する高域よりもうちょっと上の帯域を削る感じでした。
Masterノブはスイッチポットになってまして、右チャンネルはVolumeを上げると歪むので、歪ませた時の音量調節用ですね。
右チャンネルを歪ませて弾いてみましたが、一気に中域が出てくるような歪み方でこれも良い音だったと思います。
ただコード弾きにはあまり適していないかな、とも思いました。




色々いじくってみた結果、左チャンネルの1番ジャックにシールドを差して、2番ジャックから短いシールドで右チャンネルの1番ジャックに繋いだ音が一番好きでした。
所謂チャンネルリンクってやつです。

両チャンネルで音のキャラクターを変えて設計してあるようなので、これはなかなか効果大でした。
左チャンネルの音を基本にしつつ右チャンネルの音を足す感じにしました。ちょこっと重さが加わって存在感のある音になったかと思います。




最終的な感想

ずっと弾いてみたかったMatchlessのアンプなんで最初は興奮して色々試してたんですが、「あれ?俺ここまで下手だったっけ」って途中から思うようになりました。

このアンプ、ごまかしが利かないです。

コードの分離感も素晴らしいですし、ピッキングニュアンスなんかもめちゃくちゃ出るんですが、その反面ミスタッチやミュートしきれてない音なども驚くほど出してくれるのでプレイヤーにかなり厳しいアンプだと思いました。

自分には過ぎた代物感がものすごかったです・・・


やっぱりこういうものは良い腕と良いギターを持って始めて価値が発揮されるんだと、改めて認識させられました・・・




追記
自分が練習用アンプとして使ってるVoxのDA5っていう機種がありまして、それのBlues3っていうチャンネルがMatchlessのモデリングなんじゃないかっていう予想をどこかで読んだんですが、たぶんそれ当たってると思いました。
けっこう似てると思います。勿論本物のほうが出力も値段も上なんでそういう違いはありますけど、小型アンプでしかも真空管はいってないのによくここまでやるなーって感じです。